塾講師の仕事の内容を教えます!(個別指導塾編)
「塾講師って大変らしいけど、実際にどんなことをやっているんだろう?」
そんな方の疑問を解決するために細かい内容まで書きました。この記事を読めば、塾講師の仕事が一瞬で分かります。
実際に仕事は大変ですが、慣れてくるとある程度対応ができると思います。心配な方は何度か読み直して、仕事内容を確認しましょう。
塾によって違いますが、今回は僕のアルバイト先の塾の流れを紹介します。
塾講師の一日の流れ
出勤後の準備
出勤後すぐにやること
まず、授業の15~30分前に到着し授業準備を始めます。慣れないうちは準備に45分くらい必要なこともあるので時間には余裕を持ちましょう。
逆に授業に慣れてきた人は、長時間準備をしていると注意されます。理由としては授業準備でも給与が発生するからです。
準備では、次のことを時間内にします。
- 授業準備
- その日に使う教材の印刷
1.授業準備
授業準備では、当日に行う授業の内容を確認します。ここでは、先週に二次関数のグラフの書き方を授業でやった場合の、生徒の指導手順を示します。
まず、グラフの書き方を復習するか、次のページにある二次関数の文章題に進むか決めます。
どちらに進むかは、その子次第です。もちろん単元によっては得意・不得意が逆転することもあります。その時々に応じて臨機応変に対応します。
先に進む際のポイントとして、初めに軽く復習を挟みましょう。日割りで宿題を出して復習できるようにしても、その通りに守って解く子は少ないからです。
塾があった日にやれば全部解けたり、逆に塾に来る直前に適当に解けば全部間違えたりします。どちらにせよほとんど忘れた状態で授業が始まることは間違いないです。
答えが合っていたからと言って、難易度を上げ過ぎないようにしましょう。
2. その日に使う教材の印刷
授業プリントの印刷はつい忘れがちな作業です。しかし、これを忘れて授業中や授業直前にコピー作業をしていると、室長から白い目で見つめられます。
せっかく授業準備をしても、そんなことになったら悲しいですよね?この悲劇を避けるために、先にプリントを用意する必要がある単元の例を紹介します。
英語→単語テストのプリントや文章題
数学→グラフや図形
受験→過去問のコピー
他にもコピーが必要な単元はありますが、まずはこれだけ気を付けておきましょう。
忘れがちなことは、1, 2の準備を当日に受け持っている生徒全員分こなすということです。ただ、最初に受け持つ生徒は1~3人だと思うので安心してください。
授業の進め方
次に授業の進め方です。個別指導塾の基本は、先生と生徒が1:2なので今回はこの形式に基づいて話を進めていきます。
片方の子が解説を聞いている間に、もう片方が問題を解くという流れです。これを繰り返して60~90分の授業をします。この構図は一般的なものですが、休む暇はほとんどなく、実際に授業をやってみるとかなり大変です。
なぜ大変かというと、出題する問題を間違えると、早く解き終わったり、逆に分からなくなったりして、手持ち無沙汰な状態になってしまうからです。分からなくなった状態の生徒に対しいては、本来ならすぐに対応するべきです。しかし、もう片方の子も解説が聞きたいことを忘れてはいけません。
つまり、出題をミスすると、どちらかの子は授業が止まってしまうというわけです。(最初のうちはこういうことが多々あると思うので、気にしなくてもよいです。)
ノンストップで授業を進めるコツは、その子のことを普段から知っておくということです。そのためには、次のセクションでお伝えする、コミュニケーションを積極的に行うということが大切です。
個別指導塾と集団塾の決定的な違いは、その子に対してかけてあげることができる時間です。つまり、個別指導塾に来る子どもたちが求めているのは、丁寧な解説とその他のコミュニケーションであるということです。
丁寧な解説とは、相手が理解するまで何度も解説を繰り返してあげることです。ただ、繰り返せばいいわけではありません。その子にとって分かりづらい解説なら、何回繰り返しても伝わりません。表現を変えるなどの工夫が必要です。
もし、説明を理解してもらえなかったら
伝わらない理由の一つに、先生だけ勉強が得意ということがあります。普段から感覚的に問題を解いていることをそのまま伝えても、生徒に理解してもらえません。そんなときは、少しチートですが参考書を文字通り参考にします。
役立ちそうな参考書
間違っても、この参考書は生徒の前では出さないでください。分かりやすく説明するために用意したわけですが、生徒は先生が分かっていないと勘違いする可能性があるからです。
コミュニケーションは大切
どんなことを話せばいいか?
最初は、生徒は緊張しているのでこちらから話かけてください。まずは生徒が親しみをもちやすい話題を選びます。部活のことや好きなテレビ番組、YouTuberなど、その子が好きなものごとなら話を広げやすいです。
もちろん、ただ聞くだけで何も知らないと、相手は話す気を失ってしまいます。人気なYouTuberはリサーチの意味も込めてそれぞれ3~4本ほど見ておきましょう。どれかはヒットするので、その話をすればよいです。
注意:話しかけるのはこちらの仕事ですが、話す主役は生徒にすることを忘れてはいけません。話を聞いた分だけ仲良くなれるからです。逆にこちらから一方的に話すと相手は心を開いてくれません。
興味を持つ=質問をする
相手の話を聞いているときには、相手に興味をもつことを忘れないようにしましょう。ただ、初対面だと話を続けることって結構難しいですよね?
そんなときは、こちらを参考にしてください。
- 最初の質問はyes noで答えることができる狭い質問
- 続けて、5W1Hを入れた広い質問
質問の例
- YouTubeは好き?(狭い)→yes どのYouTuberが好きなの?(which広い) no 趣味とかある?(狭い)
- 部活はしてる?(狭い)→yes なんの部活してるの?(which広い) no 家に帰ってから何してるの?(what 広い)
他にも、どこで?どんな?誰と?なぜ?の質問はとても便利なので多用できます。
僕の経験談として、取り敢えず狭い質問をしてから会話を始めれば、それに続く会話は脈絡が無くても自然な流れになります。
また、仲良くなってったら会話は必要なくなるか?という問いの答えはノーです。毎回、授業の最初の3分ほどは会話の時間に充ててあげるとよいです。
会話術を身に着ければ、友達や気になる異性との会話に困ることも無くなります。ぜひ身につけましょう。
厳しい指導は成績を向上させるのか?
僕の意見
僕の経験から考えると、厳しくマネジメントしたところで、成績は向上しないと思います。なぜなら、塾に来る生徒は元々成績悪く、親から半強制的に入塾させられているということが背景にあるからです。
そんな子たちは自分に自信がありません。
勉強をやっても成績は上がらないと思い込んでいるのです。ただでさえ自身が無いのに、厳しく指導するとやっぱり無理なのだという諦めモードに突入します。
諦めモードになるとどんなことが困るのか?
諦めてしまうと、成績が伸びづらくなってしまいます。点数を上げてくれとお願いされているのに、本末転倒の事件が起こるわけです。
結局勉強したら同じじゃない?と思う方に想像してもらいたいことがあります。
できると思っている子と、無理だと思っている子では同じ勉強量をこなしたら、どっちの方が成績は良さそうだと思いますか?
答えは言うまでもなく、自分はできると自信を勉強している子です。
子どもの頃、皆さんはムシキングやポケモンの名前すんなりと覚えることができていたでしょう。進化系は名前も見た目も似ていることが多いですが、それも完ぺきだったと思います。多分、黄色いネズミと覚えたりはしていないはずです。
どうしてこんなに覚えることができたのか?この理由は2つあります。1つ目は単純に好きなことだから。2つ目は頑張れば上手になるように出来ているからです。
楽しいから、何時間でもプレイできます。一日のゲーム時間が決まっていても、その後は図鑑を読んだりして、自然と予習・復習していませんでしたか?スッと頭に入ってくるのは夢中になっているからです。
もう一つの上手になることができるというのもポイントです。ゲームはみんなが好きになるわけではないです。たまに、ゲームがめちゃくちゃ下手な子もいますが、その子はゲームは嫌いですよね?
自分の成長が実感できるから、子どもは楽しいのです。
このモチベーションの上がり具合を勉強に持ってくるにはどうすればいいのか?
そう考えて工夫をした指導すれば上手くいくことは間違いないです。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回は塾講師の仕事内容を解説しました。
特に後半の方の記事を読むと、大変そうだと思うでしょう。
しかし、そんな大変な仕事だからこそ、一緒に勝ち取った合格や点数アップが自分のことのように嬉しいと感じるのです。こんな幸せな仕事はなかなかありません。
また、大変だと仕事中に感じたことは、そのまま将来の自分への投資になるはずです。
どうしようと迷っている方は、塾講師を始めてみましょう。