薬理学は量が多すぎ!どうやって勉強すればいいのか解説します。
薬は日々増え続けているので、薬理学の単位を取得する難易度も年々上がっています。ただ、それが単位を落としていい理由にはなりませんよね?
この記事では、どうやったら薬理学で点数を取れるようになるのかを詳しく解説します。
医療系の方で薬理学に苦戦している方は是非参考にしてみてください。
覚え方は多種多様ですが、これだけはやめたほうがいいということはこちらの記事にまとめてあります。
https://blog.hatena.ne.jp/nobunostudy/nobunostudy.hatenablog.com/edit?entry=26006613622546225
参考書籍
薬剤師国家試験対策参考書 青本〔改訂第9版〕 病態・薬物治療7 2020年版
まずは疾患を知る
薬の名前から覚えるのはNG
「薬学部だから、まずは薬の名前を覚えようっと」
そんなことを考えている方はストップです!その考えで勉強を始めても点数は伸びませんよ?
薬学部で勉強をしていると、つい嬉しくてそんなことを考えるかもしれませんが、その勉強法を続けて一年後まで笑っていられるでしょうか?恐らく、泣きっ面で薬理学を勉強していると思います。
まず覚えるべきなのは、その薬はどんな症状を示す疾患に投与されるのかということです。意外に思うかもしれないので、この理由をまずは解説します。
なぜ、薬学生が病気を学ぶ?
- オキシコドン
- がん性疼痛
この二つを見比べて、頭にピンと思い浮かんだのはどちらの選択肢ですか?
おそらく大半の方は2を選ぶと思います。
理由としては、最初にカタカナの名前を見たところで、それが何の薬剤なのかまったく分からないからです。逆に、「疼痛」という言葉が分からなくても、痛みがあるということはすぐに分かると思います。
ここでまずやるべきなのは、オキシコドンという名前を覚えるのではなく、疼痛がどういう意味なのかを考え、調べることです。調べるときは大学で配られたレジュメでも、参考書でも構いません。
痛みの全体像を知る
痛みやかゆみという感覚は、上の図のように末梢神経から脳へ伝わります。この脳への伝わり方を次に覚えましょう。(もしかすると、当たり前すぎてしっくりこないかもしれないですが、今回は許してください。)
なぜ、この流れを覚えるのかというと、痛みを止めるなら、この流れのどこかを止めるからです。詳しくは作用機序のパートに書きますが、薬は大体そういった仕組みで人体の病に効くのです。
つまり、これならほとんどの薬を同じ型にはめて暗記することが可能になります。
作用機序
どうやって薬は効くのか?
次に作用機序を覚えます。ここでも薬剤の名前は覚えなくてよいです。最初に疾患について勉強しているので、ここで覚えることは実際にどんな方法で対処するのか?ということです。
なぜ、まだ薬の名前を覚えなくてよいのかというと、作用機序と薬剤名に関連付けをすることはレベルが高い、つまりめちゃくちゃ難しいからです。日本語を基礎として薬剤名が決定しているなら、関連付けは楽なのですが、そうはいかないのが現状です。
商品名だとストッパという名前は覚えやすいですが、タンニン酸ベルベリンと言われるとさっぱりですよね?テストに出るのは商品名ではないので諦めましょう。
作用機序を覚える際に意識することは、「流れ」です。上の図のように痛みが発生する機序を書きました。この図を見たとき、痛み止め→アスピリンと単発で覚えてはいけません。覚える量は増えますが、伝達間の物質はすべて覚えましょう。
理由としては、流れを利用した暗記法の方が、効率がいいからです。
「流れを利用する暗記法」は、言い換えると「暗記する内容を意味づける作業」となります。例えば、81997020を覚えてくださいという課題があったとします。恐らく時間をかければ実際に覚えることができるでしょう。しかし、その暗記はいつまで続きますか?
次に「先ほどの数字は朝青龍明徳さんの誕生日である、1980年9月27日をランダムに並び替えたものです。」と種明かしをされたとします。すると、これを聞いたあなたは誕生日だから、最初に西暦、その後に日付がくるのかと考えるでしょう。
たった8つの数字を覚えるだけですが、朝青龍さんの誕生日であるという余分な情報を付け加えて覚える方が余程効率が良いのです。
これと同じで、なぜかも分からずに先生が言った薬剤名を覚えたところで、すぐに忘れるのがオチです。テストで問われないとしても、アスピリンがなぜ鎮痛剤としてしようされるのか?全体像を覚えることで、暗記は格段にやりやすくなります。
「~だから、~。次にこれが~だから~。」
こんな感じで意味付け作業をしてください。
もう一つ分かりやすい例を示します。
1192年に何があったでしょうか?
「いい国作ろう鎌倉幕府」です。この語呂合わせは、鎌倉幕府が実際に最高な国を作ったから暗記しやすいわけではありません。
余分な文章を取り入れることで、数字と鎌倉幕府に関連付けをしているのです。この無駄な情報を入れたことで、中高生のときに習った知識が未だに定着していることは驚きです。
流れは絵も描いて覚える
「時間ないのに絵なんて描いている場合ちゃうやろ」
そんなツッコミをいただけるかもしれないですが、別にボケたわけではないです。
なぜ、絵を描いたほうが暗記しやすくなるのか?
- 右脳と左脳を活性化させるため
- 変化によって刺激を与えるため
実際にやってみると、文字が思い出せなくても、自分の描いた絵なら思い出せるという状況に何度も遭遇すると思います。思い出すきっかけが作れると、思い出せる確率は上がります。
このダブルアプローチ暗記法は是非やってもらいたいです。
レジュメの文字を見たって絵も描けないっていう人が少なからず存在するでしょう。そういう方には、参考書籍にある「薬が見える」がおすすめです。文字通り薬が見えます。
単純作業撤廃
山盛りのテキストを渡されると、できるだけ省エネな勉強がしたい気持ちになることは分かります。なぜなら薬学部は暗記量が半端なく、特に薬理学は覚える量がおかしいからです。
そういう状況になると、覚える量を減らすという誘惑に負けそうになることもあるでしょう。しかし、もし省エネで進めていたとしても、実は結果として遠回りをしなくてはいけないことは分かっていただけたはずです。
当たり前ですが、作用機序はCBTや国試でも問われますので、しっかりと覚えましょう。
最後に名前
きっと、上の二つを覚える作業は楽しくできるはずです。しかし、ここで最大の難所である薬剤名暗記が現れます。はっきり言って、僕も名前を覚えることはしんどかったです。
しかし、これを覚えないとテストは0点に限りなく近い数字になるので、避けることができません。そんな境地に追い込まれている方へ、僕の経験を交えながらどうやったら名前を最終的に覚えることができるようになるのかを説明します。
語呂合わせで覚えるのは無意味?
まず、語呂合わせで覚えることは賛成です。頭文字を取っても同じ薬剤がごちゃごちゃになって意味がないと思っている方も、心配せずに使ってください。結局暗記を続けていると、語呂がなくても名前を覚えることができるようになります。
その覚えるまでの間の手助けを語呂合わせがしてくれるということです。
例えば、子供の頃に自転車に補助輪を付けていたと思います。最初は補助輪を付けて走ることで精いっぱいですが、段々慣れてくると補助輪を外す訓練をするはずです。このとき、補助輪を付けていた時の感覚がすべて無駄になることは無いですよね?
語呂合わせ=補助輪
バランス感覚は後から補う必要がありますが、自転車を漕いだり、ハンドルを使って方向転換をすることはその後も使い続けることができるスキルです。
忍法反復暗記法
関連付けがほとんどできない薬剤名を僕がどうやって覚えたのか?
その答えは、何度も繰り返してレジュメを見返すという修行のような暗記をしました。
有名ですがヒトは何度も目で見ることで暗記を行うことができます。だったら、覚えることができなくても繰り返し見ればいつか覚えているだろうという理論です。実際覚えることはできます。
疾患とは関連付け出来ますが、同じ作用をもつ薬剤が複数あるので、それが一番難しい原因だろうと考えています。こればかりは頑張ってください。
ちなみに僕は緑マーカーでテストに出そうな部分をひたすら消していきましたが、大変なのでしなくていいと思います。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回は、大変すぎる薬理学の勉強をどうやって行えばよいのかについて解説しました。
努力をしなくてはいけない部分もありましたが、できるだけ短時間でゴールできるルートを整えたつもりです。
大変であることは変わりないですが、少しでも役に立てたら嬉しいです。